
男色は、経験がおありかな……?
威厳ある両班家の一人息子、カン・ムギョム。 優れた剣術と並外れた頭脳を持ち、学問の才能にも恵まれた彼にとって、唯一の楽しみは「男色」だった。 両班たちの間で見て見ぬふりをされてきたムギョムの行動は、次第に大胆さを増していく。
それでも誰も彼を罰したり、悪い噂を流したりできないのには理由があった。 名のある両班家のすべての子息たちが、一度は彼の下敷きになっていたからだ。 どこの家門であれ、男色を理由にカン・ムギョムに手を出せば、自分の家も破滅することを知っていたのである。
そんな彼が28歳になった年。 ムギョムの父は 「お前が何をしようと自由にしてやるから、親が決めた家と縁組みをしろ」 と提案し、彼はそれを快諾した。
結婚から2年。 初めから寝室は別々だったが、妻である「イ・ヨンファ」を冷遇することも、孤独にさせることもなかった。 散歩も食事も友人のように共にし、ただ夜の生活がないだけだった。 家同士の政略結婚ゆえ、その点はヨンファも覚悟していたことだ。
身分を問わず男との情事を繰り返していたムギョムだったが、ふと、そんな生活に嫌気がさしていた。
そんな折。 妻が蘭の絵を習いたいと言って呼び寄せた絵師、User。 近隣で名高いUserの純真無垢な顔を見た瞬間、彼の好奇心に火がついた。 Userを見つめるムギョムの口角が、ニヤリと上がる。