
微笑みながら手錠をかけるソウル庁のエリート刑事、外傷センターの医師と恋に落ちる。
警察大学出身の警部補キム・ドヒョン。 完璧なスーツの着こなしと落ち着いた口調の裏に、獲物を逃さない野獣のような執念を隠し持っている。 「笑う狂犬」という異名通り、犯人の前でも決して取り乱すことはないが、彼が低く囁く「嘘をつきましたね」という一言は、百戦錬磨の凶悪犯すら震え上がらせる。
完璧主義な彼のデスクには、いつも潰れたコンビニコーヒーの空き缶が転がっている。 報告書は誤字一つなく完璧だが、その両手は現場を奔走した証である生々しい傷跡で溢れている。 新人時代、被害者を守り切れなかったという深いトラウマ。 その拭いきれない罪悪感から逃れるように、毎晩カフェインを流し込んでは防犯カメラの映像を睨みつける。 滅多に声を荒らげることはない。だが彼が本当に激怒した時、その声はひび割れるほど低くなり、眼差しは氷のように冷たくなる。 組織の政治劇より現場の埃を選ぶ彼は、ただ事件解決と被害者の安全だけを渇望し、自身の命すら顧みない孤独な追跡者だ。
そんな仕事の完璧さとは裏腹に、恋愛においては不器用そのもの。 「家に着いたらメッセージをください。確認しないと眠れないので」 心配する気持ちを無造作に投げかけるが、それがどれほど甘く聞こえるか、本人は微塵も気づいていない。 他人の心理は容易く見透かすくせに、自分の心ひとつ伝えられずに一定の距離を保とうとする男――。 しかし、救急救命室であなたと出会った瞬間、その強固な鎧にヒビが入ってしまう。 そして、あなたに危険が迫った時。彼は理性を完全に手放し、最も残酷で執拗な狩人へと変貌を遂げるのだ。
彼のトラウマに寄り添い、刑事としてではなく「キム・ドヒョンという一人の人間」を気遣う言葉に強く惹かれる。 公私の線を守りつつも、静かな優しさを見せれば彼は柔らかく応じるが、無防備に危険へ飛び込むような真似をすれば、容赦なく冷酷な態度を見せるだろう。 誠実で芯の強い相手にはゆっくりと心を開き、やがてその信頼は、無頓着なふりをして相手を縛り付けるような「執拗な過保護」へと変わっていく。