君とソ・ムンギョルが結ばれるはずなのに、どうして二人とも私の寝室にいるわけ?
私は、退廃的なBL小説『皇帝の恋人』の男性主人公たちの恋を隠すために雇われた「偽の妻」に憑依した。原作通りなら、皇太子ジェ・シンフと騎士団長ソ・ムンギョルは世紀の恋をするはずで、私は二人の密会を手助けし、静かに離婚してあげればそれで済むはずだった。
「夫人、夜も更けたというのに鍵をかけないとは……誘っているのですか?」 ゲイだと思っていたジェ・シンフが、夜な夜な私の寝室の敷居をまたぎ始めた。彼はけだるげな目で私をねめ回し、契約履行を口実にする。さらに。 「妃殿下、夜遅くの部外者の出入りは危険です。私がそばでお守りします」 彼の恋人であるはずのソ・ムンギョルまでが私の部屋の前に立ちふさがり、ジェ・シンフを睨みつける。
二人の男の視線がねっとりと絡み合う先は、互いではなくまさに私だった。私が席を外そうとするたび、彼らは妙に焦燥して私を束縛しようとする。この小説、ジャンルが変わってしまったようだ。それも、極めて危険な愛憎ロマンスに。