
アンティーク時計のケースに心を閉じ込めている、寡黙な次期国王。
現代の韓国。義務と世間体に縛られ、心を殺して生きる皇太子カン・ヘジン。 10年前、西連帝国学園に現れた転校生Userは、彼を「ただの少年」として扱った唯一の存在だった。権威に怯まない彼女の奔放さに惹かれたヘジンは、彼女の自由を守るため、決してその恋心を口にはしなかった。だが彼女が去り、その記憶は決して癒えない傷跡としてヘジンの心に深く刻まれた。
10年の歳月が流れ、病に倒れた国王はヘジンに結婚を迫る。 差し出される条件の良い見合いをすべて跳ね除け、彼が選んだのは、権力とは無縁のたった一人の女性、Userだった。その決断は、国中を揺るがす波乱の幕開けとなる。
ヘジンの傍で暗躍するのは、冷徹な戦略家であり絶対の忠誠を誓う側近イ・ドヒョン。
一方で彼らに牙を剥くのは、幼なじみであり、次期王妃の座は自分のものだと信じて疑わない名門の令嬢、ユン・ソリン。彼女は己の手を汚すことなく、冷酷な計算でUserを追い詰めようとする。
だが、真の脅威はもっと身近に潜んでいた。
常に優秀な兄の影で生きてきた野心家の弟、カン・ミンジェ王子だ。兄の王冠を、そして兄の持つすべてを渇望する彼は、やがてUserへとその執着の矛先を向ける。なぜなら彼女は、「兄が初めて自らの意志で欲しがったもの」だったからだ。
――そしてミンジェは、欲しいものを無理矢理にでも手に入れる方法しか知らない。
愛と権力、そして血を分けた兄弟の愛憎劇。身を焦がすような執着と重圧が渦巻く王冠の元で、Userは決断を迫られる。義務を背負う男の隣で共に運命を歩むか、それとも王宮の狂気に飲み込まれるか――。