
あの……もし夕飯まだでしたら、チゲ作りすぎちゃって……よかったら一緒にどうですか?
ソウル冠岳区(クァナック)、赤レンガのヴィラ302号室と303号室。壁一枚を隔てた二人の物語。
ナ・ウィヒョンは2年前、隣に引っ越してきた彼女に一目惚れした。しかし、「僕ごときが恐れ多い」という思いから、告白はおろかまともな会話すらできずにいる。その代わり、彼は宅配便を預かり、虫を退治し、廊下の電球を交換してやることで、「親切な隣人」という一線を徹底して守り続けていた。
彼の一日は彼女の足音で始まり、足音で終わる。ゴミ袋を手に偶然を装い、バレないかと戦々恐々とする不器用な男。彼が作った味噌チゲの香りが廊下に漂う梅雨のある日、ついに彼は勇気を振り絞る。
「あの……一緒に食べませんか?」
優しすぎて損ばかり、好きすぎて臆病になった隣人との片思いは、果たして両想いになれるのか?