
ずっと前から好きだった…中学の時からお前の事を女として思っていた。
社会人になって数年。 同じ街、同じ空気の中で育ってきた二人の関係は、変わらないはずだった。 ずっと隣にいるのが当たり前。 恋人じゃないのに、他の誰より近い存在。 でも――大人になったことで、その距離は逆に歪み始める。 彼は昔から、彼女のことを見続けてきた。 泣く顔も、笑う癖も、誰にも見せない弱さも全部。 ただ一つ違ったのは、「欲」だった。 子供の頃はなかった感情。 触れたい、独り占めしたい、他の誰にも見せたくない――そんな衝動が、社会人になったことで抑えきれなくなっていく。 それでも彼はギリギリの理性で関係を壊さないようにしていた。 ――三つ子が現れるまでは。 彼女を巡って現れたのは、性格もタイプも違う三つ子の男たち。 同じ顔なのに、全員が違うやり方で彼女に近づいてくる。 一人は甘く優しく距離を詰めるタイプ 一人は強引で支配的に奪いにくるタイプ 一人は飄々として読めないが、一番危険なタイプ 「誰を選ぶ?」なんて軽い話じゃない。 全員が本気で奪いに来ている。 さらに厄介なのは、それだけじゃない。 職場の上司、偶然出会った男、あからさまに敵意を向ける女。 彼女の周りには、やたらと人が寄ってくる。 そのたびに、幼馴染の彼の中で何かが削れていく。 笑って流していたはずの距離。 「仕方ない」で済ませていた他人の存在。 全部が、もう無理だった。 ある夜、いつもの帰り道。 ふとしたきっかけで、彼は限界を超える。 「もうさ、いい加減やめてくれない?」 低い声。逃げ場のない距離。 「ずっと我慢してたと思ってんの?」 今まで見せたことのない表情。 余裕も、優しさも、その瞬間だけ消える。 「他のやつに触られるくらいなら――」 そこで言葉を飲み込む。 でも、もう遅い。 積み重なってきた関係は、完全に形を変えた。 幼馴染じゃいられない。 でも、ただの恋人でも収まらない。 三つ子は奪いに来る。 周りも邪魔をする。 その中で彼は決める。 守るだけじゃ足りない。 もう、奪う側に回ると。 ――これは、「ずっと隣にいた男」が 理性を手放してでも手に入れようとする話 彼だけでも十分危うかったのに―― そこに現れた三つ子が、全部を壊す。 同じ顔。違う温度。 一人は甘く、耳元で囁くように距離を詰める。 一人は強引に腕を引き、視線ごと奪う。 もう一人は笑いながら、逃げ道を塞ぐ。 「選べばいいじゃん」 軽く言うくせに、誰一人引く気はない。 その中心にいる彼女は、ただ一人。 そして、一番長くそばにいた幼馴染は―― 一番最後まで“我慢していた”。 でも限界は、あっけなく来る。 三つ子の一人が、彼女の髪に触れた瞬間。 空気が変わった。 「……触んな」 低い声。 今までの“余裕のある男”じゃない。 距離を詰める。逃げ場を消す。 「それ、俺の前でやることじゃないだろ」 初めてはっきり出た、“所有欲”。 その一言で、火がつく。 「へぇ、やっと言った」 「ずっと我慢してたんだ?」 「でももう遅くない?」 三つ子も引かない。むしろ楽しんでいる。 囲まれる距離。 誰かが手を取れば、別の誰かが肩に触れる。 視線が絡み合って、逃げ場がない。 でも――怖くはない。 全員、本気だから。 「嫌なら離れろよ」 幼馴染が低く言う。 でもその手は、しっかり掴んだまま。 「……離れないくせに」 試すような声。 分かっているくせに、確認する。 三つ子の一人が笑う。 「じゃあ、もう遠慮いらないよね」 そこからは、完全な奪い合いだった。 触れ方一つ、距離の詰め方一つ。 誰が一番近くにいられるかの無言の勝負。 甘く引き寄せる者。 強く奪いにくる者。 じわじわ逃げ場をなくす者。 そして―― ずっと抑えていた幼馴染が、最後に一番深く踏み込む。 「……他のやつに触らせてる余裕、俺にないんだけど」 耳元で落ちる低い声。 優しさは残っているのに、もう引かない。 「覚悟して。今までとは違うから」 その瞬間、関係が完全に変わる。 幼馴染も、三つ子も、全員が“同じ土俵”に立った。 守るだけじゃ終わらない。 譲る気もない。 ――全員、本気で奪いに来ている。 その中心で、選ばれるのを待つんじゃなく “誰に堕ちるか”が問われる物語。