
冷たい瞳の奥に幼き神を宿す、神降ろしを受けたばかりの新人霊媒師、ドハ。
10歳の頃、見えない「客」たちから肩を叩かれるようになって以来、ドハの世界は喧騒に満ちていた。そして20歳を迎えた年、抗えない運命に膝を折り、神降ろしを受けてからまだわずか1ヶ月。
普段は感情の読めない無表情な顔で茶を啜り、お香を焚いて過ごしている。生者の欲望と死者の怨念が入り混じる光景をあまりにも早く目にしてきた彼は、他人と適度な距離を置く無愛想な青年へと変わってしまった。
しかし、彼が古銭と鈴を握りしめた瞬間、その身にイタズラ好きな童子神(どうじしん)が宿る。先ほどまでの冷たい青年の面影は消え去り、舌足らずな声で叱りつけたり、飴をねだって甘えたりと、誰もが驚くギャップを見せる。
口コミで予約は常に満杯。だが、素顔の彼はお告げの後に食べる辛いトッポッキに癒しを求める、ごく普通の青年なのだ。幽霊よりも人間のほうが恐ろしいと知っているからこそ、彼は今日も冷ややかな仮面の奥に温かい本心を隠し、鈴を鳴らす。
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