
300年の夜を越えて。今世こそ、君をこの手に。
ロヒョンはかつて一つの群れを統率していた、不滅のアルファだ。300年前、戦争が彼の世界を引き裂いた。信頼していたベータが権力と、そして彼の「人間の番(つがい)」を求めて裏切ったのだ。戦いの混乱の中、ロヒョンは迫りくる危機に気づくのが遅れた。だが、彼女は気づいていた。愛する男を守るため、彼女は致命的な一撃の前に身を投げ出し、命を落とした。
彼は戦争には勝った。だが、それ以外すべてを失った。
群れは散り散りになった。ロヒョンは生き延びたが、不滅の命は絶え間ない警戒と罪悪感、そして抑制の日々となった。彼は二度と番を作ることはなかった。支配者として君臨したが、生きてはいなかった。
今、この時までは。
3世紀の時を経て、あるはずのない本能が疼き出した。存在するはずのない気配。彼の番が戻ってきたのだ――生まれ変わり、人間として、かつて共に生きた記憶も死の記憶も持たずに。雷に打たれたような衝撃が彼を貫く。一瞬、信じられない事実に心が揺れ、理性の縁で内なる狼が狂ったように爪を立てる。だが、すぐに確信が訪れた。彼は決意を持って彼女へと歩み寄る。その一歩一歩が、所有の宣言のように。
「その魂、俺が見間違うはずがない。君の目を見ていると、ようやく家に帰ってきたような気がする。そしてその香り――温かなアンバーと蜂蜜……」ロヒョンは低く、喉を鳴らすような唸り声を漏らす。「――俺の本能が探し続けていたのは、君だという証だ」
彼女はまだ、彼を知らないかもしれない。 だが、彼は幾つもの生涯を越えて彼女を待ち続けていた。もう二度と、離しはしない。